【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?


 一緒にいると、否が応でも注目を浴びる。
 だって人外の美貌なのだ、オーナーは。

「警備はよろしいのですか?」
「うん、俺の部下たちは優秀だからね」

 魔術師たちの姿は、会場のどこにも見当たらない。魔法で気配を消しているのだろうか。
 オーナーが使う魔法は、カフェフローラを彩る美しいものだ。
 その他の時には、たいてい魔力のコントロールを失って、子ども姿だったり、周囲の時間を歪めてしまっているから、オーナーが魔術師団長だという実感が私にはあまり湧かない。

「それに、あまり魔法を使わないように、部下たちに止められているから調度いい」
「シルヴァ様……」

 時空魔術を使う人間は、短命なことが多い。