私の淡い紫色の瞳。 妖精が愛する珍しい色合い。 そして……。 ふと浮かんだのは、私よりも色の濃い魔女様のアメジスト色の瞳だ。 私の瞳が妖精に好かれるというなら、もしかするともっと濃い色合いの魔女様は……。 「……気をつけます」 「ああ、そうだな」 少し笑って、私の握りこぶしに口づけを落とした騎士団長様は、ほどなく国王陛下に呼び出され、壇上へと上がってしまった。 私は、オーナーと二人、会場の中心に残されたのだった。