【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?


 私の淡い紫色の瞳。
 妖精が愛する珍しい色合い。
 そして……。

 ふと浮かんだのは、私よりも色の濃い魔女様のアメジスト色の瞳だ。
 私の瞳が妖精に好かれるというなら、もしかするともっと濃い色合いの魔女様は……。

「……気をつけます」
「ああ、そうだな」

 少し笑って、私の握りこぶしに口づけを落とした騎士団長様は、ほどなく国王陛下に呼び出され、壇上へと上がってしまった。
 私は、オーナーと二人、会場の中心に残されたのだった。