【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?


 真面目な顔をしてそんなことを言うのだから、本当に困ってしまう。
 騎士団長だけが着用を許される白い騎士服。
 黒髪を上げて淡いグリーンの瞳がハッキリと見える騎士団長様は、あまりに見目麗しい。

 けれど、それに負けないほど、あるいは上回るほど輝くお方がもう一人。

「あの、オーナー……」
「ここでは流石にシルヴァで頼むよ」
「シルヴァ様……。警備中なのでは? なぜこちらに」
「少しだけ、リティリアの晴れ姿が見たいと思って。ダメかな?」
「ダメに決まっているだろう。シルヴァ殿、職務に戻れ」
「ヴィランド卿は、リティリアのことになると急に心が狭いよね」

 そんな冗談を言って微笑んだオーナーは、相変わらず人外の美貌だ。