淡い紫色のドレスに、七色の光をたたえた銀色の魔鉱石が輝く指輪。
それだけでも目を引くのに、耳元にはキラキラこれでもかというほど輝く三連の魔石のイヤリングまで揺れる。
合計金額を考えてしまい、天文学的なその数字に震える私は、やはり上流貴族にはほど遠いのだろう。
いや、魔鉱石に関しては元手がかかっていないのだ。だから、大丈夫なはず……。
「……皆さん見ています。やはり、豪華すぎますよね」
「……そうだな、特に頬を染めてこちらを見ている人間の顔は、忘れずに覚えておこう」
「そんな人いませんよ。ご令嬢やご婦人にはたくさんいますが」
「は? 鬼団長相手にそんな女性がいるわけなかろう」


