「心配ないと、騎士団長様は言っていたけれど」

 因みに、オーナーは、貴族ではないので参加の義務はない。
 その代わり、貴族が多い騎士たちの代わりに、王宮の警護にあたるそうだ。

 オーナーは、騎士団長様に負けず劣らずいつも忙しい。
 魔力が不安定なのに心配になってしまう。

 今日は、騎士団長様の迎えがない。
 代わりに、ヴィランド伯爵家の馬車が迎えに来ていた。

「お疲れ様」

 ダリアは、私服に着替えてを見送ってくれた。
 先ほどまで着ていたのは、襟元のリボンと白いフリルのついたブラウス。裾が広がった水色のスカートと紺色のブレザー。
 どこか遠い国にある学園の制服をモチーフにしているらしい。

 巨大なステンドグラスから、カラフルな光が降り注ぐ学園は、私の知っている学校とは違って別世界みたいだった。

 けれど、ピンク色のリボンがついた私服姿のダリアは、先ほどの制服姿に負けず劣らず可愛らしい。