少しだけ眉を寄せてこちらを見下ろした騎士団長様。
見えない不安を言葉にしてしまったら、きっともっと不安になりそうで……。
「そうですね」
「…………リティリア」
「一緒に寝ましょうか」
それにしても、料理長さんは確信犯なのだろうか。
最後に出てきたウサギのパフェには、やはりアルコールが入っていたらしい。
フワフワする思考の中で、騎士団長様の手を引いて、無理矢理一緒にベッドに横になったことまでは記憶している。
けれど、私が覚えているのはそこまで・
つまり、寝落ちしてしまったらしい……。
朝日と、小鳥のさえずりに目を覚ましたとき、私のことをじっと見ていた騎士団長様と目が合った。
ちゃっかり腕枕をされて眠っていたらしい私の心臓は、あまりのことに一瞬だけ鼓動を止めた。