「えっ、あの?」
「うんうん。俺たちの魔力に耐えられるほど、質のよい魔鉱石は、珍しいからね」

 私の手のひらには、まるで金と銀の星みたいな、魔鉱石。
 二つの石は、最高の宝石でも叶わないくらい、キラキラ輝いていた。

「あっ、なにか楽しそうなことしている!」

 途中から来た弟は、部屋に戻ると、自分も小さな魔鉱石を片手に戻ってきた。

 結果、私の手のひらには、淡い紫、そして金と銀の魔鉱石が残された。

「えっと、これはものすごく価値が高いのでは?」
「そうだね。姉さんののネックレスに仕立ててもらえばいい。……ヴィランド卿に」
「お、お礼にならないのでは!?」
「残りの魔鉱石でも、十分王都に屋敷が建つだろ?」
「……残りを二人で分けるよ。リティリア嬢、ありがとう」
「はっ、はい……」

 数日後、地元の職人の手により超特急でカットされた三つの魔鉱石は、縦に並び、私の胸元で輝いていた。