「とりあえず、着替えも必要だし、王宮魔術師殿も連れ帰る必要がありそうだな」
元の姿に戻った騎士団長様は、あいかわらずカッコいい。
けれど、ほんの少しだけ、愛らしくて柔らかかった手が、惜しくもある。
「騎士団長様……」
「戻ろうか」
それだけ言うと、騎士団長様は、軽々とオーナーを肩に担ぎ上げた。
長身のオーナーだが、たくましい騎士団長様であれば、担ぎ上げたまま山道を歩くのも、容易なようだ。
「すごいです」
「……負傷した仲間は、なんとしても連れ帰りたいからな」
「……そう、ですか」
戦場でも、騎士団長様はきっと、仲間を助けるために最後まで足掻くのだろうな。
そんな予感に、胸がぎゅうっと締め付けられる。
私は、少しうつむいて歩く。
「あ…………」
何の変哲もない白い石ころ。
けれど、見る人が見れば、その価値がわかる、ゴツゴツした石を拾い上げていく。


