【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?


 カフェフローラで、あの日満天の星空から、いともたやすく、星の光を手にした騎士団長様。
 オーナーが、いたずらっぽく言っていたもの。
 星の光を手にできるほどの魔力を持つのは、王国に3人しかいないと。

「……無茶しないでくださいね?」
「……その言葉、そのままリティリア嬢に返してもいいだろうか」
「……手を、握っていてください」
「ああ」

 ふれあう小さな手は、いつもと違って温かい。
 ひんやりした騎士団長様の手になれてしまった今、どこかむずがゆい。

「行こうか」
「はい」

 小さく歩き出した私たちは、魔力の渦に飲まれていく。
 近づけば、近づくほどに、濃厚になる魔力の気配。

 そこまで、魔力を持たない私にも、わかるほど、それは濃厚になっていく。

 ――――あの日と、まるっきり同じ。

 オーナーと初めて出会ったのは、どんぐり山の奥、本当であれば、妖精たちが許してくれた人しか入れないはずの場所だった。

「騎士団長様、ここから先は、抜けるまで、ぜったいに私から手を離さないでくださいね?」
「……ああ、わかった」