カフェフローラで、あの日満天の星空から、いともたやすく、星の光を手にした騎士団長様。
オーナーが、いたずらっぽく言っていたもの。
星の光を手にできるほどの魔力を持つのは、王国に3人しかいないと。
「……無茶しないでくださいね?」
「……その言葉、そのままリティリア嬢に返してもいいだろうか」
「……手を、握っていてください」
「ああ」
ふれあう小さな手は、いつもと違って温かい。
ひんやりした騎士団長様の手になれてしまった今、どこかむずがゆい。
「行こうか」
「はい」
小さく歩き出した私たちは、魔力の渦に飲まれていく。
近づけば、近づくほどに、濃厚になる魔力の気配。
そこまで、魔力を持たない私にも、わかるほど、それは濃厚になっていく。
――――あの日と、まるっきり同じ。
オーナーと初めて出会ったのは、どんぐり山の奥、本当であれば、妖精たちが許してくれた人しか入れないはずの場所だった。
「騎士団長様、ここから先は、抜けるまで、ぜったいに私から手を離さないでくださいね?」
「……ああ、わかった」


