だぶだぶになってしまった服は、お店の中を自在に変化させることができる、この魔法の主に会うことができれば、解決するだろうけれど。
裾を引きずってしまいそうなスカートを脱ぎ捨てて、シャツ一枚になった。
予想通り、シャツはワンピースくらいの長さがある。
スカートベルトを外して、ギュッとウエストを結ぶ。
騎士団長様は、同じくシャツだけになって、器用にマントを羽織った。
ダブダフのシャツとマント、小さな手足、なんとも可愛らしい。
「本当に、可愛いと言われたことがないなんて信じられません。なんという可愛らしさ」
「わかった。ここまでの可愛いの連呼で、一生分満足をした。勘弁してくれ」
大きすぎる靴は歩きにくくて、早く見つけなければ、日が暮れてしまいそうだ。
「……っ、オーナー!! どこですか!?」
返事はなかったけれど、オーナーがどうしてこの場所にいるのか、それは予想がつく。だって、初めてお会いしたのも、この場所だ。
妖精たちが、こんなにも多くいる場所は、きっと王国を探しても、あといくつかしかない。
妖精たちの周囲は、いつだって珍しくて貴重なものであふれているのだから。


