「それは――――それは、違……」
「だから、身勝手だって、思ってしまうんだ」
泣くのも困るのも喚くのも怒るのも。
「だから、方法を、探すことにしたんだ」
感情を、放棄して、解決策だけを模索して、疲れたら眠る。
「でも、何を、したのかなぁ?」
×××××さんが、ぼくに不気味だって言って、それで。
「何を、したのかな……いつも、探してるけど、わかんない」
何度も、頭を。
「でも、×××××さんを、嫌いにならないんだ。不思議だな。いらいらする日もあるけど、ときどき、もしも、もっと痛みに耐えていたら、ぼくを許してくれたんじゃないかって」
「それは、ちが――」
真に刺されたときの、肩の傷が、首の横の傷が、少しひりっと痛んだ気がする。
「だからね、許されるまで、ぼくは、傷付いたりしないことに、したんだよ。それは、我がままだって、思って。自分への、枷にしたんだ」
きっと、苦しかったのだ。×××××さんも。
「そのつもり、なのになあ」
しゃがみ込むと、涙が溢れてきた。怖くて、辛くて、懐かしくて、よくわからない気分。
ポケットに入れていた紙が落ちる。
それには、矢印が内側にぐにゃっと描かれている四角の絵が描いてある。
少しだけ開いていた窓から、青い空が見える。
広くて、境目の曖昧な、そんな空だった。



