No. 1イケボ歌い手の正体は高音美少女でした。

 「ねぇ!七草、ここ意味わかんない!」

 「俺もわかんない・・・。こんなとこやったっけ・・・」

 「バカ同士聞き合ってわかるわけねぇだろバカ!何のために東野呼んだと思ってんだ?」

 「うっ・・・」

 まこちゃんの言葉に東野 宇宙(とうの こすも)くんがにっこりと笑った。

 いや、分厚いメガネとマスクでわからないけど。

 「東野よろしくな。こいつら頼んだぞ」

 「はい」

 まこちゃんはそう言うと教室から出て行った。

 どうも東野くんは学年ぶっちぎりの一位らしい。だから面倒見てくれるって。

 「じゃあ、さっきのわからないとやろうか」

 「ひっ、はい・・・。やだなぁ・・・」

 七草がくるくるっとペンを回して、東野くんから目線を外した。

 「ねぇ、あんた帰っていいよ。ネットで検索するし、教えてくれなくてもいい」

 だから、出てって

 そう東野くんにはなった。