「なんで……私の実家に……」 さぞかしふたりでゆっくり過ごせる場所に行くんだろうなぁ――という予想は見事に外されて。 瓦屋根の積まれた純和風の家屋の前でポカンと口を開ける私。 ど、どういうこと……? 別に実家が嫌だというわけじゃない。 むしろ結婚式でもほとんど両親とは話せなかったから嬉しいけれど……なんで? 「――俺が前もってお二人にはちゃんと話ししてあるから、大丈夫だよ。いこ」 「……は、はぁ」