「あの、ドクター。少しお話を伺えないでしょうか?」
親切に世話をしてくれる人の好さそうなドクターに、ウィリアムは決心すると話しかけた。
「どうかなさいましたか?」
他のクルーのカルテを確認していたドクターは言うと、手を休めてウィリアムの方へと向き直った。
「妹が、この船の一等航海士と交際していたと聞いたのですが・・・・・・」
ウィリアムの問いに、ドクターは笑顔で答えた。
「ええ、若いお嬢さんがお一人でしたから、悪い虫が付かないようにと、一等航海士が策を練りましてね。自分が言い出したことだからと、クルー達には自分の恋人だと説明してデロスから船にお乗せして、タリアレーナまで来たのですよ。妹さんは人気者で、皆から『姫さん』ですとか、『姫』などと呼ばれていらっしゃいましたよ。あの華麗で美しいお姿に、若いクルーのほとんどが淡い恋心を抱いておりましたが、一等航海士がピシャリと自分の恋人なので手出しすれば決闘だと言い切っておりましたからね。さすがに、ちょっかいを出すものはおりませんでしたよ」
ドクターは、何事もなかったかのように説明した。
「もしかして、本当に妹は、その方と恋仲だったのではありませんか?」
「と仰いますと?」
ドクターはとぼけたように問い返した。
「妹が慕っているエクソシアの公爵というのは、もしや、その一等航海士の方では無かったのでしょうか?」
先にウィリアムに手持ちのカードを開かせてから、ドクターは初めて自分のカードを開いて見せた。
「そうでしたか、お兄様もご存知でいらっしゃいましたか。ええ、彼はエクソシアでも並ぶものがない公爵家の出だとの話でしたが、長年、親子断絶しているとのことで、この船でずっと一等航海士をしておりましたが、急に家に帰ることが決まったとかで、先日、この船を下りたのです」
「どちらの公爵家のご子息でいらしたのでしょうか?」
アイリーンのために、ウィリアムは何とかカルヴァドスの情報を集めようとした。
「さあ、船ではずっとカルヴァドス・カスケイドスと名乗っておりましたので、私もどこの公爵家かは存じ上げません」
ドクターは、シレっと知らないふりをして通した。
親切に世話をしてくれる人の好さそうなドクターに、ウィリアムは決心すると話しかけた。
「どうかなさいましたか?」
他のクルーのカルテを確認していたドクターは言うと、手を休めてウィリアムの方へと向き直った。
「妹が、この船の一等航海士と交際していたと聞いたのですが・・・・・・」
ウィリアムの問いに、ドクターは笑顔で答えた。
「ええ、若いお嬢さんがお一人でしたから、悪い虫が付かないようにと、一等航海士が策を練りましてね。自分が言い出したことだからと、クルー達には自分の恋人だと説明してデロスから船にお乗せして、タリアレーナまで来たのですよ。妹さんは人気者で、皆から『姫さん』ですとか、『姫』などと呼ばれていらっしゃいましたよ。あの華麗で美しいお姿に、若いクルーのほとんどが淡い恋心を抱いておりましたが、一等航海士がピシャリと自分の恋人なので手出しすれば決闘だと言い切っておりましたからね。さすがに、ちょっかいを出すものはおりませんでしたよ」
ドクターは、何事もなかったかのように説明した。
「もしかして、本当に妹は、その方と恋仲だったのではありませんか?」
「と仰いますと?」
ドクターはとぼけたように問い返した。
「妹が慕っているエクソシアの公爵というのは、もしや、その一等航海士の方では無かったのでしょうか?」
先にウィリアムに手持ちのカードを開かせてから、ドクターは初めて自分のカードを開いて見せた。
「そうでしたか、お兄様もご存知でいらっしゃいましたか。ええ、彼はエクソシアでも並ぶものがない公爵家の出だとの話でしたが、長年、親子断絶しているとのことで、この船でずっと一等航海士をしておりましたが、急に家に帰ることが決まったとかで、先日、この船を下りたのです」
「どちらの公爵家のご子息でいらしたのでしょうか?」
アイリーンのために、ウィリアムは何とかカルヴァドスの情報を集めようとした。
「さあ、船ではずっとカルヴァドス・カスケイドスと名乗っておりましたので、私もどこの公爵家かは存じ上げません」
ドクターは、シレっと知らないふりをして通した。



