侯爵邸に戻ったコパルは、悩みながらアイリーンの元を訪ねた。
「コパル、お帰りなさい。どうだった? 何か収穫はあって?」
アイリーンは身を乗り出すようにして尋ねた。
「あの、パレマキリアの軍人は、昼時とお茶の時間にあのあたりを彷徨いてジョージ様を捜しています」
「そうなのね。では、見つからないように気をつけないとね」
アイリーンは言うと、腕を組んだ。
「ねえ、私が男装をしたらバレにくくならないかしら?」
アイリーンの発想に、コパルは思わず笑ってしまった。
いくら男性も髪を伸ばし、後ろで束ねるのが普通とは言え、そんなことをすればアイリーンのストロベリーブロンドが人目を引くのは間違いなかった。
「ローズお嬢様、髪の毛の色が皆にしれてしまいますよ」
「ああ、そうね。ダメだわ」
アイリーンは大きなため息をついた。
「ローズお嬢様、実はお伺いしたいことがあるのですが、カトリーヌという名前に聞き覚えはございませんか?」
「えっ?」
コパルの問いにアイリーンが目を見開いた。
「それは、お兄様のご学友の名前よ。本来なら、卒業演奏会で一緒に演奏をする予定だった、ビオラ奏者よ」
「左様でございましたか。実は今日、その方にお目にかかり、その方がシルクに金糸の刺繍がされた、ジョージ様のハンカチを持っていることに気付いたのです。私の感では、ジョージ様はその女性のところにいらっしゃるのだと思います」
ウィリアムが女性の部屋に居るというコパルの言葉は、アイリーンに複雑な思いを抱かせた。しかし、もしキャスリーンの言うとおり、二人が駆け落ちしたのならば、その様な目に付く物を女性に持たせるはずがないとアイリーンは不安になる心を何とか静めた。
「明日なのですが、ローズお嬢様にご一緒戴き、ほんの少しだけ、ローズお嬢様のストロベリーブロンドの髪をその娘に見せていただくことは可能でしょうか?」
ウィリアム捜索に関しては、アイリーンはコパルに全面の信頼を寄せていたので、悩むことなく同意した。
「かまわないわ。コパルが必要だと思うのなら、少しだって、沢山だって、髪の毛くらいすぐに見せるわ」
アイリーンの言葉に、コパルの方が動揺した。
「ほんの少しです。宜しいですね。近くには、パレマキリアの軍人も居るのですから」
「そ、そうね。わかったわ。少しだけね」
アイリーンは同意すると、笑顔を見せた。
☆☆☆
「コパル、お帰りなさい。どうだった? 何か収穫はあって?」
アイリーンは身を乗り出すようにして尋ねた。
「あの、パレマキリアの軍人は、昼時とお茶の時間にあのあたりを彷徨いてジョージ様を捜しています」
「そうなのね。では、見つからないように気をつけないとね」
アイリーンは言うと、腕を組んだ。
「ねえ、私が男装をしたらバレにくくならないかしら?」
アイリーンの発想に、コパルは思わず笑ってしまった。
いくら男性も髪を伸ばし、後ろで束ねるのが普通とは言え、そんなことをすればアイリーンのストロベリーブロンドが人目を引くのは間違いなかった。
「ローズお嬢様、髪の毛の色が皆にしれてしまいますよ」
「ああ、そうね。ダメだわ」
アイリーンは大きなため息をついた。
「ローズお嬢様、実はお伺いしたいことがあるのですが、カトリーヌという名前に聞き覚えはございませんか?」
「えっ?」
コパルの問いにアイリーンが目を見開いた。
「それは、お兄様のご学友の名前よ。本来なら、卒業演奏会で一緒に演奏をする予定だった、ビオラ奏者よ」
「左様でございましたか。実は今日、その方にお目にかかり、その方がシルクに金糸の刺繍がされた、ジョージ様のハンカチを持っていることに気付いたのです。私の感では、ジョージ様はその女性のところにいらっしゃるのだと思います」
ウィリアムが女性の部屋に居るというコパルの言葉は、アイリーンに複雑な思いを抱かせた。しかし、もしキャスリーンの言うとおり、二人が駆け落ちしたのならば、その様な目に付く物を女性に持たせるはずがないとアイリーンは不安になる心を何とか静めた。
「明日なのですが、ローズお嬢様にご一緒戴き、ほんの少しだけ、ローズお嬢様のストロベリーブロンドの髪をその娘に見せていただくことは可能でしょうか?」
ウィリアム捜索に関しては、アイリーンはコパルに全面の信頼を寄せていたので、悩むことなく同意した。
「かまわないわ。コパルが必要だと思うのなら、少しだって、沢山だって、髪の毛くらいすぐに見せるわ」
アイリーンの言葉に、コパルの方が動揺した。
「ほんの少しです。宜しいですね。近くには、パレマキリアの軍人も居るのですから」
「そ、そうね。わかったわ。少しだけね」
アイリーンは同意すると、笑顔を見せた。
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