出航にあわせ、ホテルを引き払うと、カルヴァドスは後ろ髪を引かれながら、いつもの船乗り姿に馬車の中で着替え、アンドレと共に船に戻った。
アイリーンの荷物がなくなった一等航海士の部屋は随分と広く感じた。
微かに残るアイリーンの付けていたバラの香料だけが、この部屋にアイリーンがいた事が夢でなかったことをカルヴァドスに教えてくれた。
敢えてクリーニングに出さなかったシーツは、オスカーあたりが気を利かせたのだろう、綺麗に洗った物に取り替えられていた。
(・・・・・・・・やるべきことは全てやった。後は、パレマキリアを陥落(おと)すだけだ。そうすれば、俺は堂々と父上の前でも、皇帝陛下の前でも、デロスのアイリーン王女を妻に欲しいと口に出来る・・・・・・・・)
やけに広く感じる寝台に体を横たえ、カルヴァドスは目を閉じた。
出航前の支度でクルーが行き交う気配を感じながらカルヴァドスはしみじみと、これから戦に出征するのだと考えた。
(・・・・・・・・決して死ぬわけには行かない。愛するアイリーンを迎えに行くために・・・・・・・・)
ノックの音がし、クルーがカルヴァドスを呼びにやってきた。
「わかった、すぐにいく」
カルヴァドスは答えると、起き上がり、操舵室へと向かった。
☆☆☆
アイリーンの荷物がなくなった一等航海士の部屋は随分と広く感じた。
微かに残るアイリーンの付けていたバラの香料だけが、この部屋にアイリーンがいた事が夢でなかったことをカルヴァドスに教えてくれた。
敢えてクリーニングに出さなかったシーツは、オスカーあたりが気を利かせたのだろう、綺麗に洗った物に取り替えられていた。
(・・・・・・・・やるべきことは全てやった。後は、パレマキリアを陥落(おと)すだけだ。そうすれば、俺は堂々と父上の前でも、皇帝陛下の前でも、デロスのアイリーン王女を妻に欲しいと口に出来る・・・・・・・・)
やけに広く感じる寝台に体を横たえ、カルヴァドスは目を閉じた。
出航前の支度でクルーが行き交う気配を感じながらカルヴァドスはしみじみと、これから戦に出征するのだと考えた。
(・・・・・・・・決して死ぬわけには行かない。愛するアイリーンを迎えに行くために・・・・・・・・)
ノックの音がし、クルーがカルヴァドスを呼びにやってきた。
「わかった、すぐにいく」
カルヴァドスは答えると、起き上がり、操舵室へと向かった。
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