「ローズお嬢様?」
余程悲しそうな顔をしていたのだろう、コパルが心配そうにアイリーンを見上げていた。
「大丈夫よ、コパル。心配しないで」
アイリーンが笑ってみせると、コパルは俯きながら話し始めた。
「実は、ジョージ様にお仕えして居る間、色々なお話をジョージ様からうかがって、実は、本当は、私も夢を見るようになったのです。この間は、嘘をついて申し訳ございませんでした」
突然のことに、アイリーンは驚きを隠せずコパルの事を見つめた。
「お庭で剣の稽古をされるジョージ様を拝見しているうちに、自分もジョージ様のような騎士になりたいと思うようになりました」
「騎士、それは素敵ね。コパルは頭も良いし、よい騎士になれるわ」
アイリーンは笑みを浮かべて言ったが、コパルは無言で頭を横に振った。
「この国では、奴隷は騎士にはなれないのです」
「えっ?」
「タリアレーナには、騎士になるための厳しい決まり事があり、貴族の生まれ、もしくは、アッパーミドル階級の出でなくては騎士にはなれない決まりがあるのです」
デロスにはそんな決まりはないし、もともと奴隷を認めていないので、デロスに住む者は皆、デロスの民だと父王は常にアイリーンに言っていた。
民あっての国。民なくして国はない。そして、国あっての王であり、王族であると。だから、どんな事があっても民を虐げてはならず、常に民のことを考えなくてはならないとアイリーンは教わってきた。それだけに、タリアレーナの決まり事はアイリーンには受け入れがたい物が多かった。
「ならば、コパルもお兄様と一緒に私達の国に来ればいいわ。私達の国では、奴隷という身分はないの。皆、国の民。誰でも騎士になれるわ。もちろん、剣が使えて馬に乗れないといけないと聞いたけれど」
「ローズお嬢様」
コパルが驚いたようにアイリーンを見つめた。
「あ、でも、国から離れてしまうわね」
「そんなこと、構いません。私を一人の人間として扱って下さる国があるなら、たとえ騎士になれなくても、奴隷ではなく人になれるなら、お供させていただきたいです」
コパルは拳を握り締めて涙を流した。
余程悲しそうな顔をしていたのだろう、コパルが心配そうにアイリーンを見上げていた。
「大丈夫よ、コパル。心配しないで」
アイリーンが笑ってみせると、コパルは俯きながら話し始めた。
「実は、ジョージ様にお仕えして居る間、色々なお話をジョージ様からうかがって、実は、本当は、私も夢を見るようになったのです。この間は、嘘をついて申し訳ございませんでした」
突然のことに、アイリーンは驚きを隠せずコパルの事を見つめた。
「お庭で剣の稽古をされるジョージ様を拝見しているうちに、自分もジョージ様のような騎士になりたいと思うようになりました」
「騎士、それは素敵ね。コパルは頭も良いし、よい騎士になれるわ」
アイリーンは笑みを浮かべて言ったが、コパルは無言で頭を横に振った。
「この国では、奴隷は騎士にはなれないのです」
「えっ?」
「タリアレーナには、騎士になるための厳しい決まり事があり、貴族の生まれ、もしくは、アッパーミドル階級の出でなくては騎士にはなれない決まりがあるのです」
デロスにはそんな決まりはないし、もともと奴隷を認めていないので、デロスに住む者は皆、デロスの民だと父王は常にアイリーンに言っていた。
民あっての国。民なくして国はない。そして、国あっての王であり、王族であると。だから、どんな事があっても民を虐げてはならず、常に民のことを考えなくてはならないとアイリーンは教わってきた。それだけに、タリアレーナの決まり事はアイリーンには受け入れがたい物が多かった。
「ならば、コパルもお兄様と一緒に私達の国に来ればいいわ。私達の国では、奴隷という身分はないの。皆、国の民。誰でも騎士になれるわ。もちろん、剣が使えて馬に乗れないといけないと聞いたけれど」
「ローズお嬢様」
コパルが驚いたようにアイリーンを見つめた。
「あ、でも、国から離れてしまうわね」
「そんなこと、構いません。私を一人の人間として扱って下さる国があるなら、たとえ騎士になれなくても、奴隷ではなく人になれるなら、お供させていただきたいです」
コパルは拳を握り締めて涙を流した。


