カルヴァドスがカーライル公爵として、パレマキリアへ出陣すると聞いたドクターは、かつての海軍医務官の装いでカルヴァドスを訪ねた。
寝起きを叩き起こされたカルヴァドスは、ドクターの姿を見るなり頭を横に振った。
「駄目だ。ドクターは船に残って貰う」
「ですが、若!」
「万が一の時、アイリがドクターを必要とするかもしれない。アンドレは連れて行くが・・・・・・」
「若・・・・・・」
「頼む、アイリを守ってくれ。そして、アイリの兄君を・・・・・・」
カルヴァドスはドクターを納得させるため、口にするつもりのなかったアイリーンの探している相手がウィリアム王太子であることを告げた。
「兄君と仰せられましたか?」
ドクターが驚いてカルヴァドスを見つめた。
「そうだ。たぶん、パレマキリアの刺客によって怪我を負って居るのだろう。アイリは、その兄君を助けに来たんだ。だから、ドクターは船にいてくれ」
アイリーンの兄というのが、デロスの王太子であることは、言わずもがなの事だったので、ドクターは仕方なくカルヴァドスの命令に従うことにした。
「父君も鬼だぞ。この俺に陸軍を率いろとの御命令だ。何とか、アイリを妻にすることを諦めて貰うために手柄をあげて、褒美にアイリを貰わないといけないからな」
カルヴァドスが言うと、ドクターは陸軍かと、ため息をついた。
「アイリを無事に送り届けたら、船を下りても構わないぞ。俺は、もう、二度と船には戻れなくなる。だから、このオレンジのド派手な頭もこれが見納めだ。国に戻ったら、すぐに陛下との謁見があるから、色を落とさなくちゃならないからな」
「若は、黒い髪が良くお似合いでございました」
「ありがとうよ」
「ご武運を・・・・・・」
「それ、まだ早いだろ。国までは一緒だぞ」
カルヴァドスは呆れたように言った。
「さようでございましたな。歳を取りますと、気が早くなって仕方がございませんな」
ドクターは笑って見せたが、その瞳はカルヴァドスの事を心配気に見つめていた。
「おいおい、帝国の陸軍はそんなに弱いのか?」
カルヴァドスは心配になって問いかけた。
「それはもう、海軍に比べましたら」
手前味噌な発言に、カルヴァドスが笑って見せた。
「船を下りるなんて、考えても居なかった。でも、もう、腹は括った。俺は、今まで逃げ続けてきたすべての責任と向き合うことにする。そして、必ずアイリを・・・・・・。いや、デロス王女アイリーンを妻にする」
カルヴァドスの決意に、控えていたアンドレも、ドクターも臣下の礼をとった。
☆☆☆
寝起きを叩き起こされたカルヴァドスは、ドクターの姿を見るなり頭を横に振った。
「駄目だ。ドクターは船に残って貰う」
「ですが、若!」
「万が一の時、アイリがドクターを必要とするかもしれない。アンドレは連れて行くが・・・・・・」
「若・・・・・・」
「頼む、アイリを守ってくれ。そして、アイリの兄君を・・・・・・」
カルヴァドスはドクターを納得させるため、口にするつもりのなかったアイリーンの探している相手がウィリアム王太子であることを告げた。
「兄君と仰せられましたか?」
ドクターが驚いてカルヴァドスを見つめた。
「そうだ。たぶん、パレマキリアの刺客によって怪我を負って居るのだろう。アイリは、その兄君を助けに来たんだ。だから、ドクターは船にいてくれ」
アイリーンの兄というのが、デロスの王太子であることは、言わずもがなの事だったので、ドクターは仕方なくカルヴァドスの命令に従うことにした。
「父君も鬼だぞ。この俺に陸軍を率いろとの御命令だ。何とか、アイリを妻にすることを諦めて貰うために手柄をあげて、褒美にアイリを貰わないといけないからな」
カルヴァドスが言うと、ドクターは陸軍かと、ため息をついた。
「アイリを無事に送り届けたら、船を下りても構わないぞ。俺は、もう、二度と船には戻れなくなる。だから、このオレンジのド派手な頭もこれが見納めだ。国に戻ったら、すぐに陛下との謁見があるから、色を落とさなくちゃならないからな」
「若は、黒い髪が良くお似合いでございました」
「ありがとうよ」
「ご武運を・・・・・・」
「それ、まだ早いだろ。国までは一緒だぞ」
カルヴァドスは呆れたように言った。
「さようでございましたな。歳を取りますと、気が早くなって仕方がございませんな」
ドクターは笑って見せたが、その瞳はカルヴァドスの事を心配気に見つめていた。
「おいおい、帝国の陸軍はそんなに弱いのか?」
カルヴァドスは心配になって問いかけた。
「それはもう、海軍に比べましたら」
手前味噌な発言に、カルヴァドスが笑って見せた。
「船を下りるなんて、考えても居なかった。でも、もう、腹は括った。俺は、今まで逃げ続けてきたすべての責任と向き合うことにする。そして、必ずアイリを・・・・・・。いや、デロス王女アイリーンを妻にする」
カルヴァドスの決意に、控えていたアンドレも、ドクターも臣下の礼をとった。
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