激しいノックの音に、カルヴァドスは不機嫌そうにベッドから立ち上がると扉へと向かった。
夕べ、僅かばかりのアイリーンとの逢瀬の後、宿に帰って横になったが、エクソシアで贅沢をした後のためか、体の疲れが抜けず、早くもない時間なのにまだベッドで独りうたた寝をしていた。
本物の船乗りなら、陸に上がっている時間を有効に使うのが常だし、こんな風に時間を無駄に過ごすあたり、自分は本物の船乗りになり切れてないなとカルヴァドスは思ったりもした。
「ああ、情けない。姫様がいらっしゃらないと、思った通りの自堕落なお姿ですね」
カルヴァドスの姿を見るなり、アンドレは山ほどの荷物を下ろしながら言った。
『副官とは言え、失礼にも程があるだろ』と、言いたいカルヴァドスだったが、壁に取り付けられた鏡に映る自分の姿は、アンドレに言われても仕方がないなと思ってしまうくらいダメダメでヨレヨレだった。
「トラウザーはそのままで、シャツは着替えて上着に袖を通してください。まずいものが届いたので、クーリエ便が追いかけてきました」
アンドレは言うと、あれよあれよと言う間にカルヴァドスのシャツを脱がせ、新しいものに着替えさせると上着を頭からかぶせるようにして着せ、床に転がっているよれたブーツではなく、綺麗に磨き上げられたブーツを履かせた。
「宿は押さえてあります。必要なものは、すべてそちらに・・・・・・」
アンドレは言うと、最後にバンダナを巻いてごまかしている髪の毛を櫛で無理矢理撫でつけ、カルヴァドスを抱えるようにして宿から連れ出し、待たせておいた馬車に放り込んだ。
「おまえ、やること乱暴過ぎないか?」
呆然としながらカルヴァドスは言った。
「こちらを・・・・・・」
気付けば、既に海軍の制服に身を包み、皇帝の船乗り姿のアンドレが懐から一通の手紙を取り出してカルヴァドスに手渡した。
「誰からだよ、こんな大騒ぎして」
カルヴァドスは呟きながら、封筒を裏返し、封蝋を見るなり言葉を飲み込んだ。
(・・・・・・・・父上が、手ずから俺に手紙を書いた? そんなことって、何時ぶりだ? 俺が、エクソシアで起こしたデロス救済活動に関係しているのか?・・・・・・・・)
カルヴァドスは考えながら、手紙を上着の内ポケットにしまった。
☆☆☆
夕べ、僅かばかりのアイリーンとの逢瀬の後、宿に帰って横になったが、エクソシアで贅沢をした後のためか、体の疲れが抜けず、早くもない時間なのにまだベッドで独りうたた寝をしていた。
本物の船乗りなら、陸に上がっている時間を有効に使うのが常だし、こんな風に時間を無駄に過ごすあたり、自分は本物の船乗りになり切れてないなとカルヴァドスは思ったりもした。
「ああ、情けない。姫様がいらっしゃらないと、思った通りの自堕落なお姿ですね」
カルヴァドスの姿を見るなり、アンドレは山ほどの荷物を下ろしながら言った。
『副官とは言え、失礼にも程があるだろ』と、言いたいカルヴァドスだったが、壁に取り付けられた鏡に映る自分の姿は、アンドレに言われても仕方がないなと思ってしまうくらいダメダメでヨレヨレだった。
「トラウザーはそのままで、シャツは着替えて上着に袖を通してください。まずいものが届いたので、クーリエ便が追いかけてきました」
アンドレは言うと、あれよあれよと言う間にカルヴァドスのシャツを脱がせ、新しいものに着替えさせると上着を頭からかぶせるようにして着せ、床に転がっているよれたブーツではなく、綺麗に磨き上げられたブーツを履かせた。
「宿は押さえてあります。必要なものは、すべてそちらに・・・・・・」
アンドレは言うと、最後にバンダナを巻いてごまかしている髪の毛を櫛で無理矢理撫でつけ、カルヴァドスを抱えるようにして宿から連れ出し、待たせておいた馬車に放り込んだ。
「おまえ、やること乱暴過ぎないか?」
呆然としながらカルヴァドスは言った。
「こちらを・・・・・・」
気付けば、既に海軍の制服に身を包み、皇帝の船乗り姿のアンドレが懐から一通の手紙を取り出してカルヴァドスに手渡した。
「誰からだよ、こんな大騒ぎして」
カルヴァドスは呟きながら、封筒を裏返し、封蝋を見るなり言葉を飲み込んだ。
(・・・・・・・・父上が、手ずから俺に手紙を書いた? そんなことって、何時ぶりだ? 俺が、エクソシアで起こしたデロス救済活動に関係しているのか?・・・・・・・・)
カルヴァドスは考えながら、手紙を上着の内ポケットにしまった。
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