「カルヴァドスさん、ごめんなさい。私には約束は出来ません」
「姫さん」
「貴族の娘は、父の決めた相手に嫁ぐのが決まり。パレマキリアへ嫁がなくなったからといって、父に考えがないとは思えません」
アイリーンの立場ならば、六ヶ国同盟のどこかの国に嫁ぎ、デロスの守護者となってもらうか、庇護を強めてくれるように頼まなくてはならなくてならない立場だ。自由気ままな結婚など、望める立場ではない。
「せめて、半年。国に帰って半年は誰にも嫁がないと、約束して欲しい」
カルヴァドスは食い下がった。
「三ヶ月後には、姫様と共にパレマキリアへ嫁ぐ予定です。それが無くなったらと言うことですか?」
「ああ、そうだ!」
これが、ただの貴族の娘なら、約束も出来ただろう。だが、アイリーンは貴族の娘ではなく王女だ。結婚話は特に、自分の好きでどうこう決定を簡単に変えられる問題ではない。
「ですが」
「半年で良い。必ず、俺が結婚を申し込みに行くから、その間だけ、誰にも嫁がないと。もし、姫さんの父上や兄上、ご家族や親戚に、俺じゃ駄目だって言われたら、もうチャンスはないと諦めるから、頼む。お姫様の婚約が解消になってから半年。俺、出来るだけ頑張るから、パレマキリアへ嫁ぐ話が無くなったら、半年待ってて欲しい。もし、俺が間に合わなかったら、もし、俺が、姫さんの家族のお眼鏡にかなわなかったら、俺も潔く諦めるから。頼む、姫さん。俺に、チャンスをくれないか?」
カルヴァドスの顔は真剣で、決して冗談や、いい加減な気持ちで言っているのではないことはアイリーンにも分かった。
「姫さん」
「貴族の娘は、父の決めた相手に嫁ぐのが決まり。パレマキリアへ嫁がなくなったからといって、父に考えがないとは思えません」
アイリーンの立場ならば、六ヶ国同盟のどこかの国に嫁ぎ、デロスの守護者となってもらうか、庇護を強めてくれるように頼まなくてはならなくてならない立場だ。自由気ままな結婚など、望める立場ではない。
「せめて、半年。国に帰って半年は誰にも嫁がないと、約束して欲しい」
カルヴァドスは食い下がった。
「三ヶ月後には、姫様と共にパレマキリアへ嫁ぐ予定です。それが無くなったらと言うことですか?」
「ああ、そうだ!」
これが、ただの貴族の娘なら、約束も出来ただろう。だが、アイリーンは貴族の娘ではなく王女だ。結婚話は特に、自分の好きでどうこう決定を簡単に変えられる問題ではない。
「ですが」
「半年で良い。必ず、俺が結婚を申し込みに行くから、その間だけ、誰にも嫁がないと。もし、姫さんの父上や兄上、ご家族や親戚に、俺じゃ駄目だって言われたら、もうチャンスはないと諦めるから、頼む。お姫様の婚約が解消になってから半年。俺、出来るだけ頑張るから、パレマキリアへ嫁ぐ話が無くなったら、半年待ってて欲しい。もし、俺が間に合わなかったら、もし、俺が、姫さんの家族のお眼鏡にかなわなかったら、俺も潔く諦めるから。頼む、姫さん。俺に、チャンスをくれないか?」
カルヴァドスの顔は真剣で、決して冗談や、いい加減な気持ちで言っているのではないことはアイリーンにも分かった。



