お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!

そして上級貴族たちには、一致団結して皇帝を説得し、デロスを助けて欲しいとしめくくり、カルヴァドスは中に通常国外の市中では出回ることがほとんどないデロス銀貨を一枚同封した。
 何通もの手紙を書き続けた後、最後にカルヴァドスは父への手紙を書き始めた。
 書く内容は既に考えてはあったが、まず最初に家を勝手に飛び出したことを謝罪し、自分は一夫多妻で、親の決めた婚約者となし崩しに結婚し、どんどん妻が増えていくエクソシアの結婚の在り方に疑問を持っていること、正妻でない側妻から生まれた弟たちとの扱いの差に疑問を持ち続けていたこと。そして、母は口にはしないが、新しい側妻が入り父の愛が薄れる度に母が悲しんで苦しむ姿を目にするに付け、自分は正妻を悲しませるようなことをしたくないと思うようになったこと。母のこともあり、心から愛する女性を正妻に迎えたいと思うようになったことなど、家出につながる経緯を書き記した。そんな時、父から三人の婚約者が居ると聞かされ、逃げるようにして家を飛び出したことを説明した。今更遅いかもしれないが、全て若気の至りと謝罪する覚悟はできており、父の怒りと後継ぎとしての役目を背負う覚悟ができていることも書き連ねた。しかし、すでに父が異母弟を後継ぎにと決めているのであれば、自分は公爵のままで構わないことも書き加えた。
そして最後に、父の選んだ三人の婚約者との婚約は解消し、デロスの王女である、アイリーン・エリザベス・アレクサンドラ・オブ・デロスとの結婚を許してもらうことが自分の願いであり、それが叶うのであれば、どのような罰も受ける覚悟であることも書き記した。