そんな二匹の姿を見ながら、ローズマリーはアイリーン宛ての手紙を認め、タリアレーナのシュナイダー侯爵夫人宛てに贈る支度をした。
そして、ふと思いついたローズマリーは、ハサミを片手にまずはアイゼンハイムに歩み寄った。
「アイゼンハイム。ちょっと、尻尾の毛を頂戴」
ローズマリーは、ハサミで一房の毛を切ると、糸で結んだ。それから、ラフカディオの方に向き直ったが、ラフカディオはローズマリーのハサミに警戒を顕わにした。
アイリーンから、ラフカディオが警戒を顕わにしたときは、手を出してはいけないと言われていたので、ローズマリーは諦めるとアイゼンハイムの毛を手に居室へと戻った。
「アイゼンハイムの毛なら、触ればすぐにわかるから、説明は不用よね」
ローズマリーは言いながら、便箋で丁寧にアイゼンハイムの毛を包んだ。
様子を見ていたラフカディオは、ローズマリーに歩み寄ると、渋々ローズマリーの脚の上に自分の尻尾を載せた。
「ありがとうラフカディオ」
ローズマリーはお礼を言うと、ラフカディオの尻尾からも一房毛をもらい、糸で縛ると、同じ様に丁寧に便箋で包んで封筒にしまった。
ちょうど明日、タリアレーナ船籍のクーリエ船が入港すると聞いていたので、手紙をアルフレッドに託し、最速でアイリーンを追いかければ、きっと、着いて間もなくのアイリーンに、二匹の様子や王宮の様子などを知らせることが出来ると、ローズマリーは勤務時間ではないが、手紙を用意していた。
コンコンと約束の時間に窓がノックされ、アルフレッドが姿を現した。
「アルフ。手紙なら書けているわ」
いつもなら走り出してくる二匹が姿を見せないので、アルフレッドは首を傾げた。
「姫様が居ないから、二匹は休憩中よ」
「そういうもんか」
「ええ。この手紙を侯爵夫人宛てにお願いします」
ローズマリーは言うと、手紙をアルフレッドに手渡した。
「マリー、大丈夫か?」
「ええ、私は大丈夫です。でも、姫様が心配で・・・・・・」
乳姉妹のローズマリーは、アルフレッドをアイリーンから奪ったことに今も後ろめたさを感じていた。
「マリー。旅立つ前、アイリと話したんだ。アイリは俺を兄のようにしか思えず、俺もアイリを妹のようにしか思えなかった。アイリは、乳姉妹のマリーと兄のような俺が恋仲なのを喜んでくれている。俺なら、マリーを幸せに出来るって・・・・・・。だから、マリーが後ろめたく思う事は何もないんだ」
アルフレッドの言葉に、ローズマリーはアルフレッドの胸に飛び込みたいと思ったが、今も命を懸けてタリアレーナを目指しているアイリーンの事を思うと、それはできなかった。
「でも、私は乳姉妹の姫様を裏切ったんです」
ローズマリーは呻くように言った。
「違う。俺がアイリを裏切って、アイリの乳姉妹のマリーを口説いたんだ。マリーは悪くない」
「でも、姫様はパレマキリアに嫁がなくてはならないのですよ! どうやって、私達だけが幸せになると言うんです?」
ローズマリーの本心だった。
「姫様がパレマキリアに嫁がれたら、私は海の女神の神殿で、巫女になるつもりです」
姫巫女は特別で結婚することを許されるが、一般の巫女は、俗世と別れて結婚することは当然出来ない。
「マリー、待ってくれ。早まらないでくれ!」
「姫様を犠牲にして、私だけ幸せにはなれません」
ローズマリーは言うと、封筒を手渡しアルフレッドから距離をとった。
そして、ふと思いついたローズマリーは、ハサミを片手にまずはアイゼンハイムに歩み寄った。
「アイゼンハイム。ちょっと、尻尾の毛を頂戴」
ローズマリーは、ハサミで一房の毛を切ると、糸で結んだ。それから、ラフカディオの方に向き直ったが、ラフカディオはローズマリーのハサミに警戒を顕わにした。
アイリーンから、ラフカディオが警戒を顕わにしたときは、手を出してはいけないと言われていたので、ローズマリーは諦めるとアイゼンハイムの毛を手に居室へと戻った。
「アイゼンハイムの毛なら、触ればすぐにわかるから、説明は不用よね」
ローズマリーは言いながら、便箋で丁寧にアイゼンハイムの毛を包んだ。
様子を見ていたラフカディオは、ローズマリーに歩み寄ると、渋々ローズマリーの脚の上に自分の尻尾を載せた。
「ありがとうラフカディオ」
ローズマリーはお礼を言うと、ラフカディオの尻尾からも一房毛をもらい、糸で縛ると、同じ様に丁寧に便箋で包んで封筒にしまった。
ちょうど明日、タリアレーナ船籍のクーリエ船が入港すると聞いていたので、手紙をアルフレッドに託し、最速でアイリーンを追いかければ、きっと、着いて間もなくのアイリーンに、二匹の様子や王宮の様子などを知らせることが出来ると、ローズマリーは勤務時間ではないが、手紙を用意していた。
コンコンと約束の時間に窓がノックされ、アルフレッドが姿を現した。
「アルフ。手紙なら書けているわ」
いつもなら走り出してくる二匹が姿を見せないので、アルフレッドは首を傾げた。
「姫様が居ないから、二匹は休憩中よ」
「そういうもんか」
「ええ。この手紙を侯爵夫人宛てにお願いします」
ローズマリーは言うと、手紙をアルフレッドに手渡した。
「マリー、大丈夫か?」
「ええ、私は大丈夫です。でも、姫様が心配で・・・・・・」
乳姉妹のローズマリーは、アルフレッドをアイリーンから奪ったことに今も後ろめたさを感じていた。
「マリー。旅立つ前、アイリと話したんだ。アイリは俺を兄のようにしか思えず、俺もアイリを妹のようにしか思えなかった。アイリは、乳姉妹のマリーと兄のような俺が恋仲なのを喜んでくれている。俺なら、マリーを幸せに出来るって・・・・・・。だから、マリーが後ろめたく思う事は何もないんだ」
アルフレッドの言葉に、ローズマリーはアルフレッドの胸に飛び込みたいと思ったが、今も命を懸けてタリアレーナを目指しているアイリーンの事を思うと、それはできなかった。
「でも、私は乳姉妹の姫様を裏切ったんです」
ローズマリーは呻くように言った。
「違う。俺がアイリを裏切って、アイリの乳姉妹のマリーを口説いたんだ。マリーは悪くない」
「でも、姫様はパレマキリアに嫁がなくてはならないのですよ! どうやって、私達だけが幸せになると言うんです?」
ローズマリーの本心だった。
「姫様がパレマキリアに嫁がれたら、私は海の女神の神殿で、巫女になるつもりです」
姫巫女は特別で結婚することを許されるが、一般の巫女は、俗世と別れて結婚することは当然出来ない。
「マリー、待ってくれ。早まらないでくれ!」
「姫様を犠牲にして、私だけ幸せにはなれません」
ローズマリーは言うと、封筒を手渡しアルフレッドから距離をとった。



