お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!


『ダリウス・ルーウェン・デ・ラ・ヴーム
 パレマキリア王国第二王子。
幼くして、第一王子、ラウール・ドレール・デ・ラ・ヴームが死亡したため、繰り上がりで第一王子となる。
 幼い頃から、優秀で穏やかな性格だったラウールとは正反対で、勉学は苦手、性格は残虐且つ残忍。
 幼少時代から、侍女や侍従に対して過度な虐待を加えることで知られ、手に掛けたとされる人数は成人までに十五人を下らない。
 成人後は、不特定手数の侍女に手を着け、宮廷を去った侍女の数は数え切れないほどである。中でも、意に添わぬ侍女への虐待は苛烈を極め、命を失ったものも多数。
 現在に至まで、五人の貴族の令嬢と婚約したが、三人が苛烈な虐待に耐えきれず婚約の解消を申し出、一人が大怪我で死亡。一人は、逃げようとする所を捕らえられ、謀反人として投獄中。
 ダリウス王子は、特に女性をいたぶることが趣味と思われるが、その性格がより可虐的になったのは、十代の頃、デロスにて海の女神の祭礼でアイリーン王女に出逢い、正式な婚姻を申し入れ断られたことに端を発すると思われる。
 毎年のようにパレマキリアより特使を送り、ダリウス王子とアイリーン王女の婚姻を申し入れるが、デロス王は翌年から特使を門前で追い返す程の毛嫌い様で、それをきっかけに、毎年のようにパレマキリアが国境線でデロスと小競り合いを起こすようになった。
 アイリーン王女が十六の時、デロス王はパレマキリア牽制のため、アイリーン王女と王太子の親友の婚約を定め、パレマキリアは国境線での小競り合いを一時止めるも、アイリーン王女が成人したのを期に、国境線ならびに海岸線での軍事作戦を展開。
 停戦と引き換えにアイリーン王女との婚姻を要求し、アイリーン王女は婚約の解消並びに、ダリウス王子との婚姻を承諾』

 カルヴァドスはレポートに書かれた文字を見るのも忌まわしいという風に、読み終えたレポートをギュッと丸めて握り締めた。