空き時間に文字を学びたいというクルーのために、アイリーンは手本を何種類が書いて用意した。
ブロック体、筆記体、飾り文字。それぞれ、大文字と小文字を書いていき、手本を作り終えると、次はよくクルー達が知っている言葉を書いて、それに分かりやすい絵を添えていった。とは言え、あまり絵心の無いアイリーンには難しい絵は描けないので、結局、絵の描けた物はりんご、ハート、雲、木、花に月くらいだった。
各クルーは、自分達の空き時間にお手本を見て練習して、仕事明けの休憩の時に、直接アイリーンから文字の書き方を習うことが出来るようにカルヴァドスが調整した。
若いクルーから年長のクルーまで、入れ替わり立ち替わり、毎日、色々なメンバーが参加して、まずは自分の名前を書けるようにする事から始めることになり、アイリーンは皆の名前を船長の使い古しのメモ用紙の裏や、航路計算に使う紙の裏などを活用して書いていった。
カルヴァドスに言われ、若者達は自分の名前と恋人の名前は自分で書けるようになることを目指し、手紙の中をカルヴァドスに代筆して貰っても、宛先だけは自分で書けるように、そして最終的には、全部自分で書けるようにという夢を持てるようになった。
エクソシアの港に入るまでの数日間で、若者は目覚ましい成果を見せる者も居たし、口語から文語のスペルを上手く書き出せない者と、文字を書くのが得意な者の差は広がっていった。アイリーンはカルヴァドスと相談し、レベルに合わせてグループ分けをする事にした。
和気藹々とした雰囲気で、アイリーンはあっという間にクルーに溶け込んでいった。
まるで、生まれながらの平民のように、分け隔て無く学のないクルー達に丁寧に文字を教え、発音を正すアイリーンの姿はカルヴァドスには姫巫女に見えた。
次の港が近付くに連れ、カルヴァドスに頼まれる代筆も増え、家族に出す手紙の代筆をアイリーンが請け負うと、クルー達は大喜びで、陽が落ちるまで毎日、アイリーンはクルー達に囲まれて過ごした。
サロンに集まり夕食を摂っていると、船長が思い出したように、明日入港する事を皆に伝えた。
アイリーン以外のメンバーは、次の港までの日数をおおよそ知っているが、初めてのアイリーンには、どうやったら海しか見えない船の中から、陸の特定の港への距離と時間が分かるのだろうと、不思議に思わずには居られなかった。
☆☆☆
ブロック体、筆記体、飾り文字。それぞれ、大文字と小文字を書いていき、手本を作り終えると、次はよくクルー達が知っている言葉を書いて、それに分かりやすい絵を添えていった。とは言え、あまり絵心の無いアイリーンには難しい絵は描けないので、結局、絵の描けた物はりんご、ハート、雲、木、花に月くらいだった。
各クルーは、自分達の空き時間にお手本を見て練習して、仕事明けの休憩の時に、直接アイリーンから文字の書き方を習うことが出来るようにカルヴァドスが調整した。
若いクルーから年長のクルーまで、入れ替わり立ち替わり、毎日、色々なメンバーが参加して、まずは自分の名前を書けるようにする事から始めることになり、アイリーンは皆の名前を船長の使い古しのメモ用紙の裏や、航路計算に使う紙の裏などを活用して書いていった。
カルヴァドスに言われ、若者達は自分の名前と恋人の名前は自分で書けるようになることを目指し、手紙の中をカルヴァドスに代筆して貰っても、宛先だけは自分で書けるように、そして最終的には、全部自分で書けるようにという夢を持てるようになった。
エクソシアの港に入るまでの数日間で、若者は目覚ましい成果を見せる者も居たし、口語から文語のスペルを上手く書き出せない者と、文字を書くのが得意な者の差は広がっていった。アイリーンはカルヴァドスと相談し、レベルに合わせてグループ分けをする事にした。
和気藹々とした雰囲気で、アイリーンはあっという間にクルーに溶け込んでいった。
まるで、生まれながらの平民のように、分け隔て無く学のないクルー達に丁寧に文字を教え、発音を正すアイリーンの姿はカルヴァドスには姫巫女に見えた。
次の港が近付くに連れ、カルヴァドスに頼まれる代筆も増え、家族に出す手紙の代筆をアイリーンが請け負うと、クルー達は大喜びで、陽が落ちるまで毎日、アイリーンはクルー達に囲まれて過ごした。
サロンに集まり夕食を摂っていると、船長が思い出したように、明日入港する事を皆に伝えた。
アイリーン以外のメンバーは、次の港までの日数をおおよそ知っているが、初めてのアイリーンには、どうやったら海しか見えない船の中から、陸の特定の港への距離と時間が分かるのだろうと、不思議に思わずには居られなかった。
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