お転婆姫は命がけ。兄を訪ねて三千里!

 ノックの後、姿を見せたカルヴァドスの顔を見ると、ドクターは驚いて椅子から立ち上がった。
「若、お加減でも?」
 思わず、昔ながらの呼び方をしてしまったドクターは、慌てて口を手で覆った。
「いや、俺じゃない」
「では、姫様でいらっしゃいますか?」
「ああ、陽に当たりすぎて、少し日射病っぽいんだが、何か良い薬でもあるか?」
 カルヴァドスの問いに、ドクターは少し困ったように頭を横に振った。
「残念ながら日射病に薬はございません。水分を沢山とり、熱があるようならば、体を冷やす必要がございます。もし、頭痛が酷いようであれば鎮痛剤をご用意いたしますが」
「いや、熱はなかったし、頭痛がするとは聞いていない」
 カルヴァドスは言うと、様子を見てくれるようにドクターに頼み、再び操舵室へと戻っていった。

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