18才の時点で開通していて欲しかった、その新幹線の窓側に座っていた私は、すっかり暗くなった車窓をぼんやり眺めていた。

しかし、窓ガラスに映るのは、もう無邪気さをとっくに失った自分。

あれから、おばあちゃんの子供たちは、母や叔母も含め、ひとり、またひとりと亡くなり、唯一存命の伯父も、今はもう認知症で寝たきりだと聞いている。

言葉は悪いが、身近な人が亡くなることに慣れてしまい、誰が死んでも涙は出なかった。

それなのに、何故だろう。

おばあちゃんのことを思い出すと、こんなに歳月が流れた今でも、まだ胸が痛み、悔やんでも無意味なだけなのに、後悔も消えぬままだ。

きっと、人はどんな選択をしても後悔するように出来ている。

だとしたら、人生とはなんて哀しいのだろう。

おばあちゃんは、私の知る由もないような、激動の時代を生き抜いてきたひと。


ねぇ…おばあちゃんも、たくさん後悔して生きてきたの?

私も、きっとこれから、またいろいろな後悔をするだろう。

後悔したとしても、精一杯生きてみたい。

そして、どんなに後悔だらけでも最期には

「それなりに幸せな人生だった」

そう思って旅立てるように…。



The End