戦場に静寂が戻った。敵の損害も激しいようだ。一時的に引いただけでまたすぐに攻撃してくるのは目に見えていた。破壊された味方車両からまだ炎と煙が立ち上っている。

 ラインハルトのティーガーは味方の戦車の残骸に挟まれたままそこにあった。一見、無事に見える。ティーガーの装甲は厚い。正面からその装甲を破壊できる敵はいない。しかしエンジンがある後部の装甲はそうでもない。そしてまさにラインハルトのティーガーはその後部を射抜かれていた。エンジンが燃えている。オットーの小隊もほぼ全滅。隊長であるオットーのティーガーのみ無事という有様だ。