「……何故だ」


レオは春稀の鎖骨をあらわにした。


「お前は俺と契約を交わした。分かるな?」

「…ああ」


春稀は小さく頷いた。


「契約を交わした時点で、お前は俺の物だ」

「俺は物じゃない」

「俺等(死神)からしたら、お前(人間)なんか、ただの物だ。クズだ」

「なっ…」

「世の中金が全てだと?馬鹿馬鹿しい。俺等にとっちゃ、金より大切な物は沢山ある」

「…例えば?」

「例えば…寿命だ。こいつァ金じゃ買えねぇ。契約結びに行かねぇと死ぬしな」

「生きてねぇんだろ」

「アッチでは生きてんだよ」

「……あ」


春稀の目は、レオからパソコンに移った。
パソコンのスイッチは、帰ってすぐに入れていた。


「メール」


春稀はそう呟くと、デスクについた。