Hold Me Tight

 果たしてコンサート当日。本業と言っていたしギターも歌もうまいけど、てっきりオヤジバンドを組んでいて、どこかの小さなライブハウスで時々演奏しているくらいのものかと思っていた。しかしそれはどうやらまったくの見当違いだったらしい。

ろくにコンサート会場の規模も調べていなかったし、そもそも高崎さんが所属しているバンドがどんなバンドなのか、どんな曲を歌っているのかもよく知らなかった。

 会場はかなり大きく(座席数を先程調べたら、約5000席ほどもあった)、開場前だというのにたくさんの人が会場の外に集まっている。どうやらグッズ販売があるらしい。ファン層は40代から50代女性の方が多いようだ。せっかくなので、私も応援グッズのマラカスライトを買うことにした。(つるぎ)をモチーフにしているようだが、どう見ても小さなプラスチックバットだ。ボタンを押すと青色に発光し、振るとシャカシャカ音が鳴る。「ライトの点灯はアンコールから」と説明書に書いてあった。

 開場の時間になったので会場に入ると、クラシックが流れていた。開演前に流すBGMはクラシックが普通なのだろうか?
 青い照明がステージを仄暗く照らしている。舞台セットは、古代ヨーロッパの遺跡か何かをモチーフにしているように見える。奥中央の扉からメンバーが登場するのだろう。ステージ前方には3本のスタンドマイクが立っており、バックの左側にはドラムセット、右側には何種類ものキーボードが置かれている。見たところメンバーは5人だろうか。そのうち3人は歌うということか?

 中央のマイクにはパーカッションも備えてある。真ん中で演奏する人はパーカッション担当なのか?

 高崎さんはアコースティックギターを弾きながらきっと歌うから、右か左のマイクのうちのどちらかに立つのだろう。