数日後、仕事帰りにアンティーク高崎に訪れた。川原さんが私の顔を見ると同時にすぐさまレジの下から茶封筒を取り出した。
「これ、高崎さんから」
「ありがとうございます」
「コンサート、招待されたんだってね。ファンが聞いたら嫉妬しそう」
「そんなに人気なんですか?高崎さんって」
「あの人、一見どこにでもいる普通のおじさんに見えるもんね」
川原さんの言う通り、高崎さんはどこからどう見ても普通のおじさんだ。身長だって別に高くないし、ヒョロヒョロだし、とりわけイケメンというわけでもない。いつもニコニコ笑っていて、人当たりはいいしギターも歌もうまいけど。
「コンサートのときは違うんですか?」
「行ったら分かるんじゃない?」
彼は私が持っている茶封筒を指さして言った。
家に帰ってすぐに封筒の中を開けると、チケットと一緒にメモが入っていた。
『前の方の席取れなかった。ゴメンネ。高崎』
チケットを見ると、コンサートの日は29日、座席は1階21列30番とあった。十分に前の席な気がするけど…。
バンド名は、「THE ALFA」…とな?
なんか聞いたことがあるようなないような…。もっぱら洋楽ばかりを聞いている私は邦楽にかなり疎い。特に調べるでもなく、チケットを封筒にしまった。
相変わらずアンティークショップには癒しを求めて週1、2回程度通っていたが、高崎さんには一度も会えないままコンサートの日を迎えることになった。
「これ、高崎さんから」
「ありがとうございます」
「コンサート、招待されたんだってね。ファンが聞いたら嫉妬しそう」
「そんなに人気なんですか?高崎さんって」
「あの人、一見どこにでもいる普通のおじさんに見えるもんね」
川原さんの言う通り、高崎さんはどこからどう見ても普通のおじさんだ。身長だって別に高くないし、ヒョロヒョロだし、とりわけイケメンというわけでもない。いつもニコニコ笑っていて、人当たりはいいしギターも歌もうまいけど。
「コンサートのときは違うんですか?」
「行ったら分かるんじゃない?」
彼は私が持っている茶封筒を指さして言った。
家に帰ってすぐに封筒の中を開けると、チケットと一緒にメモが入っていた。
『前の方の席取れなかった。ゴメンネ。高崎』
チケットを見ると、コンサートの日は29日、座席は1階21列30番とあった。十分に前の席な気がするけど…。
バンド名は、「THE ALFA」…とな?
なんか聞いたことがあるようなないような…。もっぱら洋楽ばかりを聞いている私は邦楽にかなり疎い。特に調べるでもなく、チケットを封筒にしまった。
相変わらずアンティークショップには癒しを求めて週1、2回程度通っていたが、高崎さんには一度も会えないままコンサートの日を迎えることになった。


