【完結】エレベーターに閉じ込められたら、恋に落ちました。



「……あ、では、失礼します」

 私は急ぎ足でエレベーターを降りる。

「ええ」

 メガネをすっと上に上げ、エレベーターの閉ボタンを押す橋本さん。
 姿が見えなくなった私は、急いで会議室へと入り、掃除を始める。

「はあ……」

 なんか怖かった……。橋本さん、いつも目の奥が笑ってないような気がしてならない。
 話しかけられた時は、どうしようかとドキドキしたし……。

「では、失礼します」

 会議室の掃除やゴミ集めを終えると、会議室から試作室へとエレベーターで向かう。 
 暖房……付けておいてと言われたから、付けなくちゃね。

「にしても、急に寒くなったな」

 ついこの前まで半袖で過ごせてたのに、不思議だ。季節の移り変わりってヤツかな。

 七階に到着し、再びエレベーターを降りる。試作室へと入室すると、暖房のスイッチを探す。

「どれだろう?暖房のスイッチ」

 あ、これかな……?

 暖房のスイッチをオンにし、28度に設定する。

「ここも掃除しちゃおうかな……?」

 そのまま試作室の掃除をすることにした私。試作室はこの後社員さんたちが使うようだったので、そのまま掃除をすることにした。