【完結】エレベーターに閉じ込められたら、恋に落ちました。



「……橋本さん」

「お前のせいじゃないし、こうなることなんて普通は予想出来ない。 だから、謝る必要なんてない」

 クールで何を考えてるのか、分からないと思ってたけど……。
 
「……はい」

 橋本さんからの言葉が嬉しくて、つい涙が出そうになる。

「……時枝さん?」

 橋本さんは私にスマホのライトを当ててくる。

「橋本さん、眩しいです……」

「悪い。……って、何で泣いてるんだ」

 泣くつもりなんてなかった。なのに、橋本さんといると涙が出てしまう。
 我慢してたのに、我慢できなかった。

「すみません……」

「そんなに、怖いのか」

 そんな私を見て、橋本さんは問いかけてくる。

「……ちょっとだけ、怖いです」

「大丈夫だ。もうすぐ出られるはずだ。……もう少し、我慢しよう」

「……はい」

 私……橋本さんのこと、好きになっちゃったんだ。 だから、涙なんて……。

「時枝さん、泣くな」

 優しく涙を拭ってくれる橋本さん。 橋本さんのその目に吸い込まれそうになって、私は思わず目を逸らす。

「……時枝さん、僕を見ろ」

「えっ……?」

 ふと顔を上げると、目の前には橋本さんの顔がある。

「怖さなんて、僕が忘れさせてやる」