【完結】エレベーターに閉じ込められたら、恋に落ちました。



「はあ……」

 なんか、さらに寒くなってきた……。

「……大丈夫ですか?」

「はい……なんとか」

「寒いからな。……仕方ない、こうしよう」

「え……?」

 橋本さんは、そんな私をギュッと抱き寄せる。

「……橋本、さん?」

「これなら、少しマシでしょう」

「……ありがとう、ございます」

 橋本さんがギュッと抱きしめてくれるおかげで、少しだけ寒さが和らいだ気がする。

「まだ、来ないですかね」

「そろそろ来るだろう。……もう少しの、辛抱だ」

 橋本さんの腕に抱かれながら、私はドキドキしていた。

「橋本さん……手が冷たい、です」

「僕は大丈夫だ」

 そんな橋本さんの手を、私はそっと握ると、そのままこするように握りしめる。

「おい、何してるんだ」

「手だけでも……暖めようと思って」

 橋本さんだって私より寒いはずだから。上着貸してくれて、しかも暖めてくれようとしている。

「……ありがとう」

 え? 今……ありがとうって、言った?

「……すみません、こんなことに巻き込んでしまって」

「謝るな。お前のせいじゃない」

 橋本さんは優しい。怖い人なのかと思ってたけど、本当はすごく優しい人なんだ……。