【完結】エレベーターに閉じ込められたら、恋に落ちました。



 そう言いかけて、私は話すのをやめた。

「……僕だって、なんですか?」

 そう聞かれると、なんだか答えにくい……。  

「いえ。……なんでもないです」

 私、何考えてるの? 橋本さんのこと、すごく気になってる感じになってない……?

「……気になるんだが」

「いえ、あの……本当に、なんでもないですから」

 なんか、私……橋本さんのことが好きな人みたいじゃない。

「……そうですか」

「はい……。あの、今何時でしょうか」

「今? 十九時です」

 十九時か……。もうどのくらい、ここにいるんだろう?

「もう、そんなになるんですね……」

「そうですね」

 そうしているうちに、キャンディはあっという間に舐め終わってしまった。

「……時枝さん」

「は、はい……?」

 ふと、橋本さんの方に視線を向ける。

「ここから出たら、何か食べに行こうか」

「……え?」

「お腹も減ってるし、何か美味いものを食べに行こう」

 橋本さんからのまさかのお誘いに、私は困惑した。

「にしても、なかなか来ないな。……何をしてるんだ」

「来ない、ですね」

 早く来て、お願い……。ここは寒いし、お腹も空いたよ。