そう言いかけて、私は話すのをやめた。
「……僕だって、なんですか?」
そう聞かれると、なんだか答えにくい……。
「いえ。……なんでもないです」
私、何考えてるの? 橋本さんのこと、すごく気になってる感じになってない……?
「……気になるんだが」
「いえ、あの……本当に、なんでもないですから」
なんか、私……橋本さんのことが好きな人みたいじゃない。
「……そうですか」
「はい……。あの、今何時でしょうか」
「今? 十九時です」
十九時か……。もうどのくらい、ここにいるんだろう?
「もう、そんなになるんですね……」
「そうですね」
そうしているうちに、キャンディはあっという間に舐め終わってしまった。
「……時枝さん」
「は、はい……?」
ふと、橋本さんの方に視線を向ける。
「ここから出たら、何か食べに行こうか」
「……え?」
「お腹も減ってるし、何か美味いものを食べに行こう」
橋本さんからのまさかのお誘いに、私は困惑した。
「にしても、なかなか来ないな。……何をしてるんだ」
「来ない、ですね」
早く来て、お願い……。ここは寒いし、お腹も空いたよ。



