満月の夜に、オオカミは泣く





「和奏ってパーティー嫌いだよね」

苦笑いを浮かべながら私に話しかけるみきにぃ。



「だって大人ばっかりだもん」


「お前もいつかその大人になるんだから」



「うん」でも、


死ぬし。





暗い思いが顔に出ないように、
カーテンの隙間から窓をみた。




そこには私の未来を示しているかのように、
漆黒に染まっていた。



その中に、ポツンと一つの月があったの。
ただ一つの、生きる希望。




みきにぃは大きな手で頭を撫でてくれた。
そして、暖かくして寝ろよ、と一言言うと、

静かに部屋をでていった。





いつもわたしの思いに気づいているのに、
気づかないふりをしてくれてありがとう。


みきにぃ、わたしはみきにぃが大好きだよ