思わず顔が引き攣りそうになったけど、好きな人の前ということで必死に抑えた。

 虎歌さんも白乃を口にするのか。

 「部屋にいると思います・・・」

 「そっか。じゃあ上がらせてもらうね」

 お母様に一声かけてから、白乃の部屋に行った。

 何で。

 いや、違うかもしれない。

 今回はただ白乃に用事があっただけ。

 そう思って心を落ち着かせる。

 でも、嫌な胸騒ぎが消えない。

 大丈夫。

 虎歌さんは私の許嫁なんだから。