私は女の子にはなりたくない

 私は今分かった。

 白乃は私のことなんか見てなかったんだ。私は、ライバルにすらなれないんだ。

 私は、成績も良いし運動神経だって良い。

 それだけじゃ、ダメなの?

 十分すごいし、すごい努力してる。

 それでも?

 じゃあ、白乃はどんだけすごいって言うの?

 白乃はそんなことを考えてる私のすぐ横を通って、自分の部屋へと上がっていった。

 私を見向きもしないで。

 何でだよ。何で、何で、何で?

 その時家のチャイムが鳴った。

 『南さんがいらっしゃいました』