遅く帰ってきた白乃は、「ただいま」と一言だけ言って部屋に戻ろうとした。

 あ、勝った。

 書道コンクールの結果が散々だったから言いたくないんだ。

 無意識に口角が上がる。

 「おかえりなさい。白乃は書道コンクールどうだったの?」

 お母様が白乃に聞いた。

 ふふっ。惨めな醜態を今から晒すんだわ。

 白乃は思い出したようにカバンの中から、賞状を出した。

 それに、トロフィーも。

 は・・・?

 何それ。私貰ってないんだけど。