「あの幼馴染たちさぁ。本当良いよね。特に白乃様とか。眠たそうなとこも可愛いし、持ち物ふわふわで可愛いし。可愛いを具現化したみたいなね」

 「わかる!白乃って名前にぴったりだよね。白に近い灰色の髪とか。心も真っ白そう・・・」

 東雲白乃。私の実の双子の姉であり、私が____一番憎い相手。

 あいつは、私から全てを奪った私にとって悪魔のような女だ。


 ____

 「お母様!見てください!書道コンクールで金賞を取りました!」

 私は書道のコンクールで金賞を取った。すごく嬉しくて、お母様に賞状を急いで見せに行ったんだ。

 「まぁ。すごいわ!紫乃はとても字が綺麗だものね」

 お母様も褒めてくれた。

 頭を撫でてくれた。

 物心ついた時から、一番ライバル視していた白乃にも、これなら絶対負けることはない。

 最悪、引き分け。

 でも、白乃はそんな私の気持ちを一瞬で踏み躙った。