「おはよう・・・。朝だよ・・・?」

 弱々しい声。

 いっつも、起こしてくれる実李じゃない。

 この声の主はすぐに分かった。

 紫乃・・・・・・。

 すぐに目を開けて、体を起こす。

 にっこりと笑顔を浮かべ、「おはよう」と口にした。

 私の知ってる紫乃じゃない。

 「何のつもり・・・」

 優しく、“白く”なったのかと思ったけど。

 多分違う。

 まだ“黒い”。