キーンコーン……。
ある日のお昼休み。
あたしは、向かい側に座っている桂弥に伝える。
「木乃先生に今日お弁当作ってみたんだけど……、受け取ってくれるかなぁ」
「え!? もしかして彼氏弁当ってヤツ!?」
桂弥は身を乗り出して、あたしの手の中にあるお弁当を見る。
あたしは青いチェック柄の布で包んでみた。
それは、睦月用だと分かるように。
「先生絶対喜ぶよ!」
「でも、あたし料理あまりしない方だったから、完璧とは言えない仕上がりになっちゃったんだよね」
「完璧じゃなくても、いいんじゃない? 大切なのは渡す勇気だと思うな~」

