アイドル並みに可愛い保健室の先生は白衣の悪魔さんでした。


「もう、いいわ。その代わり、雛野さん」

「は、はい……っ!」

急に名前を呼ばれて、ビクリと体が跳ねる。




「睦月くんに、あまりワガママ言わないようにね」

「も、もちろんです……っ!」

あたしが笑顔でそう答えると、華宮先生は納得したのか。

ヒールの音を響かせてゆっくりと出て行ったのであった。




「はぁ、緊張した……」

あたしがそう呟くと、睦月は「よくできました」と頭を撫でてくれた。

それから数日後、華宮先生は別の学校へ移動することになりひっそりと姿を消した。