下校する生徒で賑やかな放課後。

あたしは、桂弥と他愛ない話に花を咲かせながら、廊下を歩いていた。

角を曲がり、階段を降りていると。




「先生~! よければ私と一緒に帰りませんか!」

!!?

ものすごーく嫌な予感がして、階段の踊り場からそろりと見ればーー。




一人の女子生徒が、木乃先生に声をかけていた。

黒髪をまとめてポニーテールにしていて。

あたしなんかより、ずっとずっと可愛い女の子だ。