そして、教室を出たあたし。

華宮先生の背中のあとをついていくと、そこはひとけの無い裏庭だった。

「あ、あの一体なんでしょうか……?」

「睦月くん……、いえ、木乃先生と別れなさい」




「え? な、なんで知ってるんですか……っ!」

動揺するあたしに対して、淡々と華宮先生は話を続ける。

「私が聞き出したのよ。あのね、私、睦月くんのこと、好きなの。同じ大学に通ってた頃から」




「……!」

「あなた、この間、私と睦月くんの話を隠れて聞いてたでしょう?」

「ご、ごめんなさい。立ち聞きしたのは謝ります」