「あたし本好きで……、恋愛小説で、桜色の空を眺めてキスした男女は結ばれるってシーンに憧れてて……っ、だから寝ている木乃先生にキスしちゃったんです……っ!! それに、それにーー、あたし知ってるんですよ先生のこと……」

「知ってるって、何を……?」




珍しく、困り顔でオドオドしている木乃先生。

「あたし、聞いちゃったんです。先週、木乃先生に告白しようと思って、仮病使って保健室に向かった時ーー、」

「あ……! 雛野ちゃん、もしかしてアレ見ちゃったの……かな? 僕と華宮先生が話してたところ……」