「だったら、どうして!?」

珍しく、声をはりあげる桂弥。

そこからは、彼女の必死さが伝わってきた。

あたしは、ふ、と笑って。




「あのね、あたしはただの女子生徒。木乃先生みたいなイケメンとは釣り合わないなぁって、急にそう思ったの」

「春亜……、」

「心配してくれてありがとう、桂弥」




そこで学校の正門が見えてきて、会話終了となった。

あたしは自席に着いて、ふぅっとため息を吐く。

本当は、今でも木乃先生のことは好き。

あんな酷いことをいわれたのに、諦めきれない自分がいる。