「し、失礼しました!」

あたしは逃げるように保健室をあとにした。

理解出来たことは、あたしがたいへん危険な人であること。

そして認めたくなかったけど、“恋”しているんだ。

木乃先生にーー。

***




***

雛野ちゃんが去ったあと。

僕は壊れかけた理性を再び戻すのに必死だった。

今まで感じたことのない、ウブ女の優しいキス。

まだ唇にその感触が残っている。




落ち着け、落ち着け。

僕はただ雛野ちゃんを、興味本位で近づいただけ。

なのに、僕が翻弄されてどうする!

僕は、歯を力強く噛んだ。