廊下を歩きながら、ちらりと窓の外を眺める。

あ……。

灰色とピンクのグラデーションが綺麗な空。

ーー桜色の空、だ。




あたしは、読書好きで特に恋愛モノの本をよく好んで読んでいた。

架空の恋愛物語は好き。

だけど、現実では恋バナの話題になると、どうしても困ってしまう。

あたしは、恋とか愛とか、絶対に興味がない。




うん、このドキドキはきっと気のせいだ!

それを確かめる為に、保健室に行くだけ!

木乃先生に会ってそれを確認するだけ!

そう自分に強く言い聞かせた。