桂弥の前では極力、元気に振る舞ったあたし。

朝のホームルームが終わって、授業を受けて。

キーンコーン……。

放課後を告げるチャイムがようやく鳴った。




急いで荷物を鞄に詰め込んでいるとーー。

「春亜~! 駅前に新しいクレープ屋ができたから、一緒に行かない~?」

「ご、ごめんね桂弥。今日、用事があって……!」

「あ、そうなの? 今度は絶対だからね?」




「う、うんっ!」

あたしは、桂弥に手を小さく振って。

目的地に真っ先に向かったのであった。