「俺は誰にでも優しいってワケじゃないから」 「………ふぇ?」 一旦キスをやめて、耳元で優しく囁く睦月。 意識が朦朧(もうろう)とする中で、ハッキリと聞こえた言葉だった。 吐息がかかって、耳がじんわり熱を持つ。 そして、今度はあたしを真っすぐ、瞳でとらえながらーー。 「本当に好きなのは君だけだよ」 とびきり甘い声で。 そして柔らかい表情で、そう言ったのだった。